Diary


川が生まれる場所



 登山口からしばらく歩き、残雪に接近。


 雪融け水の滝。通称「幻の滝」。


 残雪脇の岩肌を伝う流れ。


 雫滴る残雪の縁。ここが川の生まれる場所。


 滲み出すように、残雪は水になり。


 水は雫へと姿を変え。


 そして、生まれたばかりのせせらぎに加わる。


 時間を停めると、氷のような。


 柔らかな、春の陽射を背景に。



※ここで生まれたせせらぎは、山を下る途中で全て砂礫の中に浸み込み地下水となり、やがて (…と言っても、相当長い時間を経て) 富士山麓のどこかの湧水になります。そしてまた、そこから川が生まれます。
 この雪融け水が直接、ここから山を下り渓流となり、瀬となり淵となり海へと注ぐ「川」になっているわけではありませんので、その点、ご了承下さい。



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