Diary


平成二十年 師走



■2008/12/1 月
 月の弓が太陽を射落としてしばらく。ふたつ並んだ明るい星のちょうど下あたりに月が降りてきて、ふたつの星を目としたらまるで三ケ月が笑った口、のような位置関係になった。その笑い顔がこれまたかなり間抜けな笑い顔で可笑しかった。

 最近、日没後よく目につくようになったこの「ふたつの明るい星」は金星と木星らしい。


■2008/12/6 土
 富士山がスカッと見えるので、富士山を何周も走っている割にはなかなか見る機会がなかった『本栖湖から見た富士山』を昼から見に行った。富士五湖周辺もこの時期になると首都圏からの観光客の足が遠のいて、なかなか走りやすい。でも、途中で寄り道などしていたらあっという間に時間が経って、本栖湖着は夕焼けのはじまり時になった。見てきたのはこんな感じの湖と富士山のある風景。


 で、これは、千円札の裏側の絵(の元となった写真)が撮られた場所から見た富士山。
 見比べると、湖面が波立っていて水面に映る富士山が見えていないのだけが残念だけど、この雪の被り具合はまさにそのもの!という感じ。


■2008/12/26 金
 さて、なかなか書いている余裕がないのだが相変わらずの生活。とにかく仕事も終わったので休み入り。この休みで何をするかというと、そういえばまだ島原半島と大隈半島周ってなかったな…。ということで多分そちらへ向かって走っていると思う。アベックラーメンでも買ってくるか。

 と思って地図を見直したら、行ってないのは大隈ではなくて薩摩半島でした。指宿の方ね。


■〜追記 第三次九州年越しドライブの記録



■2008/12/28 日
 朝5時に富士山のふもとを出発、高速をひたすら走り、18時に九州の唐津に到着。「長崎行くなら途中まで…」という便乗者とここで別れる。今回は高速代を半分出してくれる、ということで高速道路を使い、初めて関門橋を渡って九州に上陸した。普段2泊3日かかっていた九州までの行程を僅か13時間で来てしまうとは。高速って楽。
 それから有田へ移動。先に実家に帰省していたのだが、実家にいても暇でしょうがねー、という一人(以下、「現地人ガイド」と呼ぶ。)と合流。佐世保のちょっと南にある道の駅「さいかい」で車中泊。

  さて、九州は2005年末の年越しドライブ(最南端)で福岡、大分、宮崎、鹿児島の東海岸を、2006年末の年越しドライブ(最西端)で福岡、佐賀、長崎の北側の海岸を走っている。今回は九州での未走破地域、佐世保から薩摩半島までの地形がものすごく複雑な「九州西海岸」を走る予定。

 第三次九州年越しドライブ、スタート。


■2008/12/29 月
 早朝に長崎市内へ。長崎らしいもの…と言っても特に思いつかないので平和記念像を見に行くが、まだ日の出前の時刻。日の出を待ってから写真に収める。


 その後、雲仙を見ながら島原半島周回開始。
 途中の道の駅で晩白柚(ばんぺいゆ)というボーリングの玉くらいの巨大ミカンが安かったので、一箱(3個入り)を実家に送る。実家にはメールで「ミカン一箱送ったから」と。そうしたら返信があり「ああ、ミカン買おうと思っていたところだったから丁度よかったわ」と。まさか届くのがこんな巨大ミカンだとは思っていまい。で、また走り昼頃に島原港へ着く。


 島原港周辺で昼飯でも…長崎だから長崎チャンポンだろう、ということで周辺を探したが見つからない。フェリーターミナルへ寄ると熊本行きフェリーの案内。熊本まで1時間。じゃあ昼飯は熊本ラーメンにするか、まぁ昼飯時までに着くし。ということでフェリーで熊本市まで行く事にした。

 まだ半周しかしていないが、さようなら島原半島。


 カモメがたくさんお見送り(船内ではカモメの餌のエビせんが売られている)。


 そうして昼のうちに熊本市内へ。
 アーケードのある通りにあったラーメン屋で熊本ラーメンの後、熊本城へ行ってみる。


 でも、年末年始はお休みで中には入られず。外周だけぐるっと一周して終わり。
 帰りに姫路城でも寄っていこう。たしか元旦は無料だったはずだし。


 そういえば実家からはミカンと共に「熊本行ったら『からしれんこん』送ってくれ」という指示を受けていた。熊本阪神のお店でそれを発見して注文してくる。初売りがはじまってから、ということなので、到着は年明け5日になるらしい。ちょっと食べて見たいんだけど、と言ったら売り場の方が切れ端をサービスしてくれた。結構辛いのね。

 その後は国道3号線を南下して、途中から270号線に入って鹿児島の薩摩半島入り。道の駅「木花館」で車中泊。


■2008/12/30 火
 朝から国道226号で薩摩半島周回開始。道はまぁ、半島周回の三桁国道にありがちな狭さ。しかも海岸がリアス式なので非常に曲がりくねった道。景色はいいのだけど、見ている余裕がない。


 そして道が緩やかになった頃、綺麗な富士山型の山が現れる。これは何とか富士、という名前に違いない、と言いつつ地図を見ると「開聞岳(薩摩富士)」と。やっぱり。


 そうして指宿から鹿児島市内へ。道の駅やお土産やに寄るとどこも「篤姫」関連のお土産が多い。大河ドラマは見ていなかったのだけど、この辺の出身なのだそう。
 市内で「城山公園」という辺りを何となく走っていたら、やはりこの辺り出身のこの方の像が。


 で、その像の脇にこんな看板。

 誰か訳してくれ。

 と、ここで薩摩半島の周回が終わったので、これで今回のドライブの目的を達成。
 でも、ここから来た分帰らなければならないのである。国道3号、328号と乗り継いで再び海岸へ出て熊本県入り。
 出水市から八代市の海岸を走っていると、地図上、どうしても「対岸」が気になる。天草諸島。一見半島に見えるが、これは島(一応橋がかかっている)なので、今回ここは別に走らなくてもいいや、と思っていた。むしろここを周ると結構距離があるので日程的にUターンラッシュ前の元旦の内に九州を出るのが難しくなる。…しかし。

 「天草の先っちょから島原までフェリーありますよ。所要時間30分!」という現地人ガイドの声が。

 仕方ない…行くか。行かねば悔いが残る。というわけで、宇土半島から橋を何個も渡って天草諸島へ。上島の「有明」という道の駅で車中泊。


■2008/12/31 水
 道の駅を出て、更に先の天草諸島で一番大きな島「上島」を時計回り一周し、島原行きフェリーが出ている鬼池港に着く。ああ、そういえば天草といえばこの人か。


 ちょっと鳥の糞が可愛そうだが、天草四郎の像があった。そのちょうど前がフェリー乗り場。乗車の列はなく、一番乗りすると案内のおじさんがナンバーを見て「北海道から来たの!?」 もうこのやり取りには慣れた。面倒なので「まぁ。」と。やがて乗船。
 そういえば。今まで乗ったことがあるフェリーは、車の乗り降り口が一箇所なので、「先に乗ったら降りるのは後になる」の法則があった。でも、昨日のフェリーも今日のフェリーも、船首と船尾に乗り口と降り口がある船だったので、先に乗った車が先に降りることができる。これは便利。

 一番先に乗ったのでこのポジション(先頭)。

 30分で島原半島に帰還。389号線を走って雲仙温泉経由で島原半島を縦断する。途中、標高が上がったところで雪が舞う。その後また海岸を走り諫早湾へ。諫早湾干拓事業で何かと話題になった所、である。ナビには出てこなかったのだけど、案内板を見ながら走っていると、その干拓事業で完成した堤防の上がちょうど諫早湾をショートカットできる道になっているようなので、そちらに入る。


 堤防の上はずっと真っ直ぐな道。でも、4年以上前のカーナビだと当時の地図には無かった道。画面を見るとこんな感じでひたすら海の上を走っている状態、になってしまう。



 そうして佐賀に戻り、昼に有田で現地人ガイドを降ろし、そこからは単独で帰路につく。虹の松原から202号線、福岡市から3号線に乗り、日没後に関門トンネルで九州を脱出し、今回の九州ドライブは終了。


 しかし、ここから帰らねば…。
 それから国道2号線を走り、20時頃に防府市手前の長沢湖にある温泉(トラック運転手向けな感じ)でお風呂と晩御飯。そこからまた2号線をひた走り、バイパスで広島市街を通過、尾道バイパスで尾道市を通過中にラジオでカウントダウンがはじまった。

 そしてそのまま運転中に年を越しました。


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