手袋 僕の左手に僕の手袋 僕の右手に君の左手 君の左手に僕の右手で 君の右手に僕の手袋 手袋ひとつ はんぶんこして はしゃぎなから 繋いだ手をおおげさに 振りながら歩いた あの雪の道 大人ぶることも 子供ぶることも 両方できたあの頃に どうしてふたり何もかも 愛さえも 解ったつもりで いたのだろう クリスマスにさえ 雪のなかったこの町に 今日はさらさら細雪 僕の左手に僕の手袋 僕の右手に僕の手袋 今だって何も 解ってないのに ふと覚えた右手の冷たさに 僕は手袋の中で ぎゅっと手を 握り締める >> Next |