KAEKA/2018 Diary


平成三十年 皐月

■2018/05/27 日
 ひと月前、ちょうど連休前でこちらでも桜の花が咲き始めた日、父が他界した。十何年も本州に住んでいた自分が転勤で北海道に帰ってきたその月のうちに。
 今回の北海道への異動は偶々、と自分は言っていたけれど、実をいうとそれほど偶々ではない。こうなることはある程度覚悟しており、裏々では北海道に帰る調整をしていた。偶々というのはそう装っていたことで、それは父に自分のことが原因で戻ってきた、実は自分の病気はそれほど悪いのか、といった勘繰りをされたくなかったからでもある。
 ただ、自分の北海道行きが決まるのも父が他界するのも、両方が思ったよりも早かった。正直、大事があるとしてもそれはもっと先のことだと思っていたのだ。3月の頭までは。
 父は昨年に癌が発覚、その後は抗癌剤の治療を受けており、癌を小さくして手術、という予定で今年の頭までは自宅で療養していたのだけど。今年に入ってから他の病気を併発しそちらの手術を優先することになったので、2月に入院。そちらの手術は無事終わって2月中に退院し一旦は落ち着いて自宅に戻っていた。が、3月に入って調子が悪くなり再入院。手術前後に抗癌剤の治療を中断した影響で癌が拡大・転移しておりその時にはもう手術が難しい状態となっており。その後は一気に、という状況。
 3月半ばといえば、ちょうど自分の北海道への異動の話が出てきたタイミングで。まさか自分もこんなに上手く北海道行きの話が決まるとは思っていなかったし、割と実家に近い現在の職場になるとも思っていなかったので、どうしてこの時期にこの場所に決まったのだろう、と色々思うこともあったのだけど、ここはもう素直に異動の神様に感謝するほかない。おかげで色々と間に合ったのだから。

 ということがあって、さすがに2度目の花見、なんて余裕もなく。3月以降はここまで非常にバタバタしていた。いや、今も週末は実家通いでバタバタなのだけど。それでもひとつひとつ片付けて大分落ち着いてきたので、そろそろ平常モードに戻してゆこうと思う。



 

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