Azure Diary


平成二十五年 霜月


■2013/11/01 金
 昼にメスのクワガタを拾う。殻から半分ほど、しまいきれていない羽が覗いており、見るからに弱々しい。人が多く歩いている場所だったので、近くにあった道外れの松の木にとまらせたのだけど、さすがにもう動きが鈍く、とまることができずにぽとり、と落ちる。仕方がないので木の根元へ、置いて去る。なんとなく、憂愁。


■2013/11/05 火
 土曜日が行事で出勤、月曜日は祝日だったので本日が土曜日の振替休日。なので暦とは一日ずれた三連休だったが、今日がその最終日。連休間に何をやっていたかというと「イセエビを釣って実家に送って活きて届くかためしてみよう」で、二夜出撃して釣果は一匹。
 そういえば、昨夜はお巡りさんが岸壁に見回りにきて「何釣ってるんですか?」と訊かれたので、イセエビっすよ、と言うと、えっ、ここで釣れるんですか、と。一匹あげたけど見ます? ええ、是非ぜひ! とのことで見せつつ、一応「で、問題ないっすよね。ここで釣っても」と訊くと、まぁ管轄は海上保安庁なんですがここ(港内)は漁場じゃないので大丈夫ですよ。とのこと。本人も釣り好きだそうで「職務を兼ねて釣り情報をですね…」と、ずっと雑談しながらの釣りになった。釣果はイセエビ一匹、タコ一匹(網の穴から逃げられた)、そして人生初めて90センチくらいありそうなウツボ一匹(釣ったけどどうしていいかわからないので放した)。
 それはさておき。で、今朝帰ってきてから一睡もせずに、ホームセンターへ行って段ボールとおがくず(ハムスター用)を購入。段ボールにビニールを入れて、ビニールがイセエビに破られなようにチラシ類を間に挟んだ上でビニールの中におがくずを詰め、その上にイセエビを置いて、と。こんな感じに詰めてゆく。


 さらにその上からおがくずを詰めて、イセエビが完全におがくずに包まれるようにし、汲んでおいた海水をかけておがくず全体を湿らせて、ビニールの口を閉じ(空気は通るようにした)、段ボールの封をする。それを黒にゃんこに持ち込んで、航空便(常温便)で発送。最速で明日の午前中には配送とのことで料金は二千円ちょい。一匹だとコストパフォーマンスが悪いけれど、まぁ、今回は実験、ということで。
 黒にゃんこで「中身はなんですか?」と訊かれたけれど、無難に「食品」にしておいた。生きていることは黙っておこう。さて、無事に届くか。


■2013/11/06 水
 イセエビ到着の知らせをメールで受ける。ピンピンしていたそうで、これで送付方法が確立した。母は写真を撮ろうとしたが、その間もなく親父がさばいてしまったらしい。初めて扱う獲物のはずなのにいきなりさばくとは。さすがである。今回は実験なのでまた送るから、と。まぁ、釣れればだが。


■2013/11/17 日
 ちょっとバタバタしていた先週・今週が終わってゆるりと休日。洗濯をしてベランダで干し物をしていると、最近ちょっと懐いてきた雀がベランダの床に降りてくる。前の部屋の雀とちがってさすがにそれ以上は近づいてはこないのだけど、この雀もなかなか度胸があって、じゃあ待ってろ何かやるわ、と部屋に戻ると、ベランダ出入り口の部屋の中まで入ってきてこちらを伺っている。近づいてゆくとベランダへは出てゆくけれど、ベランダの床をチョンチョンしていて、そこから飛んではいかない(でもさすがに前の部屋の雀と違って手には乗らない)。

 ただ、逃げてゆかないのはこの一羽だけで。何羽かでベランダに来ていても、自分が顔を出すと、他の雀は逃げてゆくのに、なぜかこの一羽だけが逃げない。前の部屋の雀もそうだった。たまにこうした、人を怖れない、というか。人懐っこい、というか。おバカというか。そういう雀がいるものだな、と。

 いやまぁ、自分があまり雀に怖れられない人間なのかも知れないが。


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