■2010/07/19 月
そうだね。まず夢の話をする前に、時間のことについて話そうか。私たちが認識できる時間は「現在」しかないね。未来や過去は概念としてはあるのだけど、存在しないそれらを今ある「現在」と同じように認識することはできない。それは肉体で生きる者、この物質の世界にある者にとっての摂理だからだよ。物質の世界で全てを支配する物理学的な運動や化学的な反応が、この世界では「現在」という時の中でしか起き得ないのだからね。
けれども、意識は違う。意識そのものはそういった物質的な制約を一切受けない。それは時間についても同じだ。物質的存在の認識できる時間が「現在」しかないのとは異なり、意識はあらゆる時を同時に認識することができる。つまり、意識は、私たちが言う「過去」「現在」「未来」、その全てを「今あるもの」として認識しているんだよ。
とは言っても、今のあなたの意識がその「過去」「現在」「未来」の全てを包括した「今」を理解することは難しいね。それは、今のあなたの意識が、物質である肉体と結びつくことによって、物質的な時間の制約を受けているから。今のあなたの意識は、意識そのもので世界を感じているのではなく、物質である肉体を通してしか世界を感じることができないからね。
意識が物質的な制約を受けている、と言ったね。けれど誤解しないで欲しいのは、それが意識にとっては別にデメリットなどではない、ということだ。意識にとっても、肉体と結びついている間は物質的な時間感覚に合わせていた方が何かと都合がいいんだよ。郷に入りては郷に従え、という言葉があるね。もし、意識と肉体が結びついた存在であるあなたの意識と肉体が、それぞれ別の時間感覚を持ち合わせていたら、それは混乱の元にしかならないんだよ。だから、この物質の世界で肉体と結びついて生きることを選択しているあなたの意識は、自らの時間感覚をこの世界の時間に「合わせる」ことで、上手く生活しているんだ。
さて、夢の話をしよう。夢とは何か。それは、あなたが目覚めている時に、意識が肉体を通してしている経験とは対をなす経験。つまり、あなたが眠っている間に、意識が肉体を通すことなくしている経験のことだよ。だから、あなたの意識がしている経験、という観点から言えば、起きている時の経験も、夢の中での経験も、経験した世界が違うというだけで、あなたの意識が経験していることに変わりはない。あなたの意識にとっては、どちらも現実なんだよ。
肉体を通した経験、については語る必要はないね。問題は夢の中での経験、その経験をどうとらえればいいのか、だろう。
殆どの夢は目覚めとともに、夢を見ていた、という記憶を除いてすぐに消え去ってしまうね。それは、あなたの意識が「夢の中での経験」と「現実世界での経験」をきちんと区別しているからだよ。あなたの意識は自分自身の判断で、夢の中で経験したことのうち、現実世界での生活においても必要になりそうなものと、夢の中にとどめておいた方がよさそうなものとを、しっかりと区別している。そうして、思い出す必要のあるものを記憶にとどめ、そうではないものを夢の中にとどめて目覚めるんだ。
ただ、夢の中にとどめる、というのは忘れてしまう、ということではないよ。それは起きる時点で肉体側の脳にメモリーされないというだけで、意識は全てを記憶している。後にその夢の中にとどめてきた経験が必要になった時は、ちゃんと思い出せるようになっているんだよ。
じゃあ、起きてからも記憶に残っている夢について。憶えていても、夢の内容というのは理解不能なものが多いね。けれど、それは当然の、仕方のないことなんだ。
まずは最初に話した意識の時間感覚のことを思い出してごらん。夢の中で意識は物質的な時間感覚から解き放たれ、「過去」「現在」「未来」の全てを境目なく「今あるもの」として認識している。加えて言うなら、物理的な「距離」や「空間」という概念も、夢の中の意識には存在していないんだ。
だから、例えば夢の中であなたの意識は、子供の頃の友達に会ったり、亡くなった知人に会ったり、肉体に宿る前の状態だったり、昨日の夕食をもう一度食べたり、明日の喧嘩をしていたり、母のお腹にいる頃に戻ったり、10年後のあなたを経験していたり、産まれる前の人生に戻っていたり、次の人生を生きていたり。時間も場所も異なるそれらのことを、全て時間や距離の制約なく、今ここにあるもの、として経験しているんだよ。
そういう記憶だから、目覚めて物質的な「現在」しか認識できないあなたが、その記憶を夢の中で意識が感じていたように理解することは不可能なんだ。全てごちゃ混ぜになってしまってね。それは無理やり解釈しようとするより、そういうものだ、と、夢の中の意識の自由さに敬意を表して割り切ってしまった方がいいことだよ。
ちなみに言うと、夢の中の意識も逆の意味で同じ思いをしているよ。夢の中の意識も、時折、目覚めている時の意識の記憶を夢の中に持ってゆく。その時、夢の中のあなたの意識は、物質的な世界のあなたの意識が経験している「時間」や「距離」の制約に窮屈さを感じながらも、その制約の中で生きることを選択しているあなたに、大いなる敬意を表している。どちらもあなたの意識に違いはないけれど、その点はお互いさま、とも言えるね。
さ、夢の中から持ってきた記憶のことに話を戻して。夢の中の経験から何をこちらに持ってきて目覚めるか、はあなたの意識がしていることだから、言い換えるとあなた自身の意識からのメッセージ、ということになるね。
ただし、多くの場合、その夢の中での経験が、あなたの実生活での経験に、直接影響を与えるものではない。昔から言われている予知夢のように、あなたの今後の人生を夢が先に見せている、というようなことではないよ。未来は変えられるものだからね。
夢の中の意識が見てくる「未来」については、少し説明が必要だね。夢の中の意識は、確かに未来を見てくることもある。繰り返すけれど、夢の中で意識は、「過去」「現在」「未来」の全てを境目なく「今あるもの」として認識している。でも、その中の「未来」とは、あくまでもその時点のその状態の意識がイメージした「未来」なんだ。
夢の中の意識は、その時点でイメージした「未来」を「今あるもの」と認識する。けれども、それは確定した未来ではない。意識の状態が変われば、意識がその時にイメージする「未来」もまた変化する。現実世界の私たちが、様々な未来を想像…あるいは空想するようにね。
ただ、私たちが、イメージした「未来」をまだ存在しないもの、として認識しているのとは違い、夢の中の意識はその時点でイメージした「未来」を、今現実にあるものとして認識する。その点がちょっと違うだけだよ。
頭ではなかなか理解しがたいけれど、あなたの意識はちゃんとそれをわかっている。大丈夫だよ。意識が夢から未来の記憶を持ち帰る時、それは、「あなたの未来はこうだよ」という意味で持ってきてるわけではないから、将来の悪い夢を見て飛び起きても、哀しくなったりしなくていい。あなたの意識は常に、今のあなたに対する前向きなメッセージとして、夢の記憶を持ち帰ってくるんだからね。
でも、そういう夢を憶えていたら、少し危機感は必要なのかも知れないね。こうしたら、あるいは、このままでいたらこうなってしまうから、と。今のあなたが気づいていない所に、あなた自身が気づいて正してくれることを、あなたの意識は期待してその記憶を持ち帰っているのかも知れないから。
夢の中のあなたの意識はね。「現在という時」と「この場所」しかない現実世界のあなたに代わって、夢の中の世界であなたより一足先に様々な未来を経験したり、大事な過去を追体験したり、現在を違う視点から見てみたり。そんなことをしてくれているんだよ。
そして夢の記憶とは、見た夢の過去・現在・未来にかかわらず、いい夢・悪い夢にかかわらず、今のあなたに何らかの気づきが必要な時。夢の中で様々な経験をしてきたあなたの意識が、その気づきの切欠として、今のあなたに贈っているメッセージなんだよ。
夢の中のあなたの意識は、夢という時間も距離も制約のない自由な世界の中で、時にはあなたが経験したことの無い喜び、時にはあなたが経験したことの無い苦痛や哀しみ。時にはあなたがまだ生きていない未来、時にはあなたが忘れてしまった過去、時にはあなたが人生において選ばなかった選択肢の先の人生。そういうものを物質の世界で生きるあなたの代わりに経験して、その中から今のあなたにとって必要な(…テスト前に回答を見せてしまうような内容のものは除いた)メッセージを、あなたに贈っているんだ。
限られた時間と横たわる距離の制約を受ける窮屈な現実世界。その中で生きることを選択したあなたに敬意を持って。それはメッセージでもあり、時にエールでもあるんだよ。あなたがよりよくこの世界を生きること、生き抜くことを期待して、あなた自身の意識から贈られた…ね。
…さ、夢について、自分が夢から教わったのは、こんなことだったよ。
なるべくそのまま書こうと思ったら、長くなっちゃったね。
では、そろそろこの辺で。おやすみなさい。
P.S. いい夢を
■2010/7/22 木
前の職場の更衣室にあった「とっても多機能な体重計」と同じようなものが、こちらの職場にも導入された。体重に加えて、体脂肪、基礎代謝量、骨格筋量と骨格筋率、そして体年齢(あなたの体は実質何歳くらいか)というデータが出る、人によっては恐怖の体重計である。
さっそくやってみた。が、結果を書くその前に。なんと前の職場で計った時の結果がここの日記にちゃんと残っていた。日付もちょうど2年前の7月。この辺り、日記を書いている良いところだなぁ。
○前回 2008/7/8のデータ
体重 58キロ
体脂肪率 9.3パーセント
骨格筋量 22.6キログラム
骨格筋率 39パーセント
基礎代謝量 1500キロカロリーくらい
体年齢 18歳
○今回 2010/7/22のデータ
体重 59キロ
体脂肪率 10.5パーセント
骨格筋量 23キログラム
骨格筋率 39パーセント
基礎代謝量 1480キロカロリーくらい
体年齢 22歳
日記を見るとどうやら前回は富士登山(富士下山)の直前だったので、それに向けた走り込みをしていた頃だったはず。こちらに転勤してからは駆け足していない割にはあまり変動がないのが意外。電車通勤って思ったよりハードなのかもなぁ、という自己評価はさておき、体脂肪率と骨格筋率と体年齢の数値については、職場の並みいる強豪を押えてトップに立った。
「…いや、その体年齢22歳ってあり得ないから!」
「ああ、いやぁコレ実は精神年齢ですから」
精神年齢、2年で4歳UP! …って微妙。
■2010/7/23 金
連日最高気温が36.5度だとか37度だとかいう日々が続いている。暑さは苦手といいつつも28度を越えるとどうでもよくなってくるので、まぁどうでもいい。が、エアコンには弱い。職場や自宅にまでエアコンがある環境で生活するのはまだ今年で2年目、である。先日から喉がイガイガしていたが、今日はもう全身がだるい。体温を計ってみると、最高気温すら平熱より高いのに体温の方が高くなっていて、もう体感温度がよくわからない状態になっている。
来週月曜日予定の仕事が火曜日にずれた。ちょうどいいので、月曜日を突発した海の日の振り替え休日に。まぁ3日あればなんとかなるべ。
それよりも、万一熱上がって日中寝込むことになった場合、暑いのは当然として、部屋のエアコンは入れておくべきなのだろうか。それとも、切っておくべきなのだろうか。何か入れっぱなしだと更に調子が悪くなりそうだし、切りっぱなしだと熱中症になりそう。ああ、それより明日は歯医者に行かなきゃ。
■2010/7/24 土
午後はずっと寝通しで、先ほどカーテン越しの閃光と雷の音で先ほど目覚めた。汗だくだったので外へ出ると思ったよりも涼しい風。でも、空は猛り狂っていた。縦にも横にも稲妻が走っている。最近読んだ「はてしない物語」に出てくる幸いの竜が実際に飛んでいるのを見たら、こんな横に走る稲妻のような感じなのかも知れない。
歯医者に行かなきゃ、と、ちゃんと午前中に目覚ましをかけていてよかった。頭痛がしていたけれど無理やり起きて、昼前に歯医者には行ってきた。予定があってよかったと思う。起きた時の状況を考えると、予定も無しにそのまま寝ていたら干物になっていたに違いない。で、帰りにポカリやら果物やら買って帰宅。その辺りの記憶が虚ろなのだけど、帰って再び寝る前に、買ってきたものは冷蔵庫にちゃんと収めてあった。まだまだこういう時に生存本能を発揮できる自分を褒めてあげたい。
で、風邪の時くらいちゃんとした果物でも自分に食べさせてあげよう、と思ったのかどうか知らないが、ネクタリンはともかく、なぜ「ドラゴンフルーツ」まで買ってきたのかは自分にもよくわからない。桃の缶詰とかならまだわかるのだけど。
荒れ始めた天気のおかげで、エアコンなくてもいいくらいの涼しさ。頭痛はなくなったが熱はまだあるので、昼間の自分からのお見舞いのドラゴンフルーツでも食べて寝ることにします。
でもドラゴンフルーツってどうやって食うんだろう?
…じゃあとりあえず切ってみるか。
※教訓:白い服でドラゴンフルーツ切る時は汁の飛び跳ねに注意しましょう。おやすみなさい。
■2010/7/31 土
月曜日まで寝込んでも特に良くはならず、何だかフワフワした感じの一週間だった。熱と咳と頭痛で一番つらいのは咳だ。咳で頭痛が活性化するし、何よりももう腹筋がクタクタ。でも何とか熱と頭痛は回復して、あとは若干咳が抜けないくらい。
けれど、もし今週末を過ぎても呼吸器系の症状が良くならない、もしくは悪化しているようなら再診、とのこと。風邪にしてはちょっと呼吸器系の症状が重い上に長引いているので、百日咳という病気の可能性があるらしい。
ただ、百日咳では高熱は出ないそうなので、多分複合的な風邪でしょう、と。ただし、百日咳は小児にとって重病のうえに流行性なので、可能性がゼロにならないうちは家庭でも小児との接触を極力避けるように初診で言われる。
まぁ独身だからそれは大丈夫っすよ。…独りで風邪なんてするもんじゃないね。…ああ、全くだわ。
ともかく。朝は6時、夜は8時過ぎなので、一番危険な通勤電車で小児を見かけることはまず無い。朝もまだ子供の通学時間ではないから大丈夫…と思っていたのだけど、実際に意識して歩いていたら、ラジオ体操に向かうらしい子供が結構歩いていることに気づいた。そういえば今は夏休みなのだ。でも、こちらの夏休みは金曜日になっても決まらず。
どうしてこう何もかもマイナス要素ばかりなのだろう。流行っているのは風邪ではなくてマイナスなのかも知れない。マイナスが流行し、マイナスが更にどこからかマイナスを呼び込む。そういうサイクルなんだろうな。きっと。この躰も不調になることで、何か自分に取り繕う必要のある場所があることを、自分に訴えているのかも知れない。
−今年はお盆期間は無理かも知れないねぇ…
−いいっすよどうせお盆は混むし。
−でも早く決まらないと飛行機が取れないしなぁ。
−どうせ取ってもアレかもですよ。去年は…
−ああ、あったねぇ。飛行機キャンセルして出てきてた日!
−で、キャンセルして次の日にしたら、朝地震で呼び出し待機。
−おお、で、その後台風だった。オレ飛行機飛ばなくて大変だった。北海道は飛んだんだっけ?
−北海道は台風から逃げる方向なので飛んだすよ。滑走路出てから1時間待ちしたけど。
…て、去年は酷かったねぇ。
…に、比べたら今年はマシなのかも知れないすねぇ。
そうだ。まだマシなのだ。今後、何事もなければ。
百日咳にかかるわけにはいかないので、今日はのんびりホームページ更新。
遠くで響き続ける、打ち上げ花火の音。
今はただ、自分に専念すること。
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